鳥水木BOOKS 8 「童話集 銀河鉄道の夜 他十四編」

こんにちは、鳥飼(とりかい)店長です。

前回のブログ(→鳥水木BOOKS 7 「屋根の上のサワン」)の続きで、
第8回目の気になった本の紹介です。

torimizuki_books8ginga今回のご紹介は、宮沢賢治「童話集 銀河鉄道の夜 他十四篇」です。
宮沢賢治の代表作として本当に有名な「銀河鉄道の夜」、
(私はちゃんと読み終えたことがありませんでした。)
さらに、この本には他に十四篇のそれぞれ味わい深い物語が
収められています。
とくにその中でも、「からすの北斗七星」はオススメの短編です。
とても短い物語です。
からすの軍隊がでてきます。大砲を撃ったりします。
(大声でがあがあ声を出すこと?=大砲)
真っ白な雪のたんぼにならんだりします。
そして、きらきらきらきら涙を流すのです。
争うときのやるせない気持ちが、からすたちを通して伝わってくる
お話です。
もちろん、「銀河鉄道の夜」にも、鳥が随所にでてきます。
鳥飼(とりかい)として注目したのは、
主人公のジョバンニと友人のカンパネルラが銀河鉄道に乗っている時、
途中で話しかけてくる、鳥捕りです。(鳥を捕る人)。
鳥捕りは天の川で鷺(さぎ)を捕ってみせます。
ぎゃあぎゃあ叫びながら舞い降りてくる鷺(さぎ)の足を押さえて、
押し葉にしてしまいます。
なんで、鳥を押し葉にできるのか問うても、仕方のない世界なんです。
銀河鉄道は幻想第四次元の世界を走っていて、
平気で不思議なことが起こるのですが、
その一つ一つがきらきらした、すきとおった言葉でつづられているので、
違和感なく頭の中に染みこんできます。
私の好きなやりとりです。
「どうしてあすこから、いっぺんにここへ来たんですか。」
ジョバンニがなんだかあたりまえのような、あたりまえでないような、
おかしな気がして問いました。
「どうしてって、来ようとしたから来たんです。
ぜんたいあなたがたは、どちらからおいでですか。」
ジョバンニは、すぐ返事しようと思いましたけれども、
さあ、ぜんたいどこから来たのか、もうどうしても考えつきませんでした。
カムパネルラも、顔をまっかにして何か思い出そうとしているのでした。
「ああ、遠くからですね。」
鳥捕りは、わかったというようにぞうさなくうなずきました。
私もよく、このジョバンニやカムパネルラのように何か質問されても、
理由がわからない時があって、
鳥捕りの答え方と、受け流し方にはほっとするものがあります。
(こんな風にいってもいいいんだって思うと。)
この作品の言葉の連なりは、想像力にあふれていて、
読んでいるうちにふわふわと浮かんでいくようです。
(旅ができます。本一冊で。)
ぜひ、あなたの本棚に一冊。

てんちょ。

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