鳥水木BOOKS 9 「町田康詩集」

こんにちは、ショップ鳥水木TORIMIZUKI
鳥飼店長です。

前回のブログ(→鳥水木BOOKS 8 「童話集 銀河鉄道の夜 他十四編」)の続きで、
第9回目の気になった本の紹介です。

torimizuki_books9machida今回のご紹介は、町田康さんの詩集「町田康詩集」です。
嬉しいのは、表紙に鳥を見つけた時です。
パンクな仏様の後ろに、これまたパンクな鶴が少し羽を広げて
たすきのように、仏さんにからまっています。
場所は暗い森の中の、滝か湧き水が流れ落ちる池のような水のたまりに
仏さんと鶴が座っている絵です。
(装画・装幀は寺門孝之さんです。)
中の詩は、いまは小説家としてのほうが知られている町田康さんです。
私にはバンド「INU」のボーカル、
そして、今はなきバンド「ミラクルヤング」のボーカルだった人です。
オーナーがファンなことから知り、初めて本人をみたのは、
赤羽の場末の映画館でした。何かの映画のプロモーションのような会で、
まだ小説を一作書いたばかりの頃でした。
「芥川賞を狙っています。」と冗談みたいに言っていたのですが、
その後、本当にとってしまいました。
その後、何度もみたのがミラクルヤングというバンドをやっていた頃です。
アルバムを一枚だしたのですが、
CDが出る前から何度もライブで曲をやっていて、
曲がいろいろな方向に進みながら、だんだんと形になっていくのを
見ることが出来ました。
アレンジによって同じ曲もずいぶんと変化するし、良くも悪くもなって
しまうことがよくわかりました。
そのミラクルヤングの曲の中でも、とても完成度の高い
「退屈なレイニー」という曲があります。
他の曲と比べてもぐっとしまった印象で特に歌詞が素晴らしいのですが、
その元?になった詩がこの詩集に収められています。
「カネから未来」という詩です。
”カネから未来を逆算するなんてバカげすぎてるってあいつ言ってたっけ・・”
という出だしで、ミラクルヤングの曲と同じ出だしです。
曲のほうでは歌詞の中に出てくるシチュエーションが
ちょっとよくわからない所があるのですが
”あいつらの腰のもみ方、そいつがムカつくんだって・・”
その前後の内容がこの詩集では知ることができます。
(私はそれが嬉しかった。)
曲でも、この詩にもあるくだり、
”カラスは風の中をどこまでも真っすぐに”
街を歩いている時、カラスを見る度にこの詩を思い出します。
私の中でカラスのイメージが少し変わりました。
(カラスの美しさを知りました。)
他にもこの詩の(そしてミラクルヤングの曲での)印象的なくだり、
”腐っていくものそれが大事なんだ
砕けていくものそれが大事なんだ・・”
(ミラクルヤングの曲では
”終わっていくものそれが大事なんだ
壊れていくものそれが大事なんだ・・” です。)
ミラクルヤングの曲では、全体的に硬派な感じですが、
詩のほうがもっとふざけていて、楽しいです。
詩集に収められた他の詩も、笑い転げてしまうようなものも、
言葉のイメージの連なりに目まいがするようなものもあって、
全部冗談だと思って読むと、こんなに楽しい詩はありません。
(まさに、”思いつくままにしゃべり続けろ@江戸アケミ”)
ちょっとした”毒”で、元気になる事ができます。
ぜひ、あなたの本棚に一冊。

てんちょ。

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